『ローズ・イン・タイドランド』
タイドランド――干潟のこと。すなわち「干潟のローズ」。
ローズというのは主人公である10歳の少女・ジェライザ・ローズの「ローズ」で、この映画は「不思議の国をアリス」を意識してネーミングされたと思われる(原作小説は『タイドランド』だから)。また、ローズという命名は薔薇を彷彿とさせ、砂漠のような閉鎖的かつ極限の土地で可憐な少女(=薔薇)が不思議な妄想に逃避しつつ、厳しい現実に対峙し、様々な人々との出会いを介して成長し、そしてやがて報われて行くような、そんな『赤毛のアン』や『明日のナージャ』っぽいハート・ウォーミングなストーリーなんだろうなぁ……と想像していた時期が僕にもありました。
何がレディース・デーだ!
本作はダーク・ファンタジーと銘打たれている。でも訂正すべきだと思う。どう見てもサイコ・スリラーです。
「なにこの臭い!何か死んでるの?! あらパパ、何か食べた? お腹が大きいわよ!」
(ぶぶっぶぶぶぶー!) ※少女が父親にのしかかると同時にオナラの音が鳴る。
「いや! 最悪! 私じゃないわよ!」
(((( ;゚Д゚)))) バカヤロー!死んでるのはテメーの父親だ!そんでそいつの腹に収まってるのは腐敗ガスだ!パイやらチキンやら、そんなシャレオツなモン入ってるわけねーだろ!オメーの親父は発酵してんだよ!
もう少女の妄想とか逃避とかってレベルじゃない。確実に狂ってる。
そしてその怪演を支えているのが絶妙なカメラワーク。そう、微妙に傾いている。
『ローズ・イン・タイドランド』という映画は、見た人をこんな風に霧で包んでくれる、とてもイイ映画でした。
これって製作側からすると、ある意味成功してるのか…? 『不思議の国アリス』って夢落ちだしね。もうなんだかよくわからないや。ショート・バケーショーン!
さーて、17日は『尻怪獣アスラ』16:30~ @B9教室
タノシミダナー!みんな見に来てねー!