金沢大学映画研究会

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『アントラム 史上最も呪われた映画』感想(羊歯ヤモリ)

『アントラム 史上最も呪われた映画』感想

史上最も呪われているという煽りがちょっと面白い謎の映画。見た人が死ぬという法規制必至の最悪映画の感想を綴らせていただきます。呪い殺されたらこれが遺書になりますね。

事例1
ジョーンズパーク映画祭の企画者ジャネット・ヒルバーグは本作を見た
二十四時間後に死亡。倒れる直前「上映を却下する。」と同僚に話して
いた。


とりあえずはこの映画の殺害記録の一部をご紹介。


事例2
コロラド映画祭のトム・スタイラムは本作を見た翌日、自宅のキッチン
で感電死した。

 

事例3
ラホヤ映画祭のジョー・バリンジャーはオニダルマオコゼに触れてしま
い腹部にトゲが刺さってしまった。猛毒を持つこの魚が米国の沿岸部に
生息することはめったにない。ジョーが事故に遭ったのは本作を見た数
時間後だ。

 

(数時間後にオニダルマオコゼに刺される…?)

 


だいぶ殺してますね、3つ目に関しては海に行かなければ避けられそうですがそうだとしてもオニダルマオコゼに刺されるのは鬼怖いです。他にも映画館を燃やしたり観客が暴動を起こしたり色々やらかしてます。

これは本当に呪いの映画かも…。なお、紹介された犠牲者のジャネット・ヒルバーグ氏、トム・スタイラム氏、ジョー・バリンジャー氏は検索してもアントラムのサイトばかりでした。

これはおそらくアントラムの呪いで情報規制されてますね…。

法的通知
本作を続けて見る方は「アントラム」の危険性を承知しているものとします。製作者、配給会社、出演者、スタッフ、組合および映画館関係者は上映中または鑑賞後の病気、ケガ、命に関わる危険、死について一切の責任を負わないものとします。以上に同意できない場合、今すぐ映画館を出てください。

こんな警告文も表示されます。何人が映画館を出たんでしょうか。そしてレンタルして見ている私はGE〇を訴える準備をしつつ本編開始。

不安を煽る音楽が常に流れていてかなり緊張します。登場人物の表情も暗くて全体的に不穏…。
序盤は特に異様な空気の重さ。早速気が滅入ってきます。
地獄へ向かうというストーリーも説明なく謎を残すまま不穏な雰囲気で進行されるので、もうなんだこの怖い映画は嫌になってきたので止めていいですか?という気持ちでたまに表示されるサブリミナルや意味深なノイズを眺めていると、事件が起こりました。

 

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 半裸の日本人のおっさん!


何してるんですかねこの人…。主人公の姉弟もこれには困惑。この後なぜか切腹しようとするし本当に何をしているのかわからない。日本人が裸で登場というここまでで一番謎のシーンが来ました。正直他の謎は終盤にわかるようになっているのですがここだけはマジで謎です。間違いなくアントラムで一番の考察ポイントですね。
そんなほのぼのシーンも束の間、順調に地獄へ向かう姉弟の前にジャケットのアレが登場します。

 

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巨大な山羊頭 胴体に対して小さい手足 焚かれる炎 車と悪魔像



この映画における象徴はこのバフォメットのような悪魔像です。象徴には親衛隊がつきもの、異常な村には異常な村人、狂気の二人が新たに登場しました。悪魔に似た二人のうち一人はシカをファックしているケモナーガチ勢。この村は子孫を残せずに滅びることでしょう…。イカれた登場人物も増え更にややこしいことに。これは夢なのか現実なのか、あまりにも異常な世界に姉と弟の二人はどうなってしまうのか…。
という本編に謎のノイズ、サブリミナルで挿入されるもう一つの不穏な映像、呪われているというキャッチコピーが加わりかなり怖い作品になっています。子供の頃に見ていたら間違いなくトラウマになるレベルの恐ろしさでした。しかし冷静に物語を追うとこれがなかなか面白い。終盤に判明する謎のあれやこれと姉弟の心境を考察することで見えてくるものも多く、怖いけどもう一度見てみようとなる面白い映画でした。
ちなみに本編は一九七○年代の映画ですが、少年役のローワン・スミス君は二〇二〇年でも現役の子役です。まさかこれもアントラムの呪い…?

アントラム解体新書へ続く…。

 

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