金沢大学映画研究会

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あの粉・この粉(アノコ・コノコ)/あの砂・この砂(アノサ・コノサ)(山本由伸)

あの粉・この粉(アノコ・コノコ)

 起きた。

朝食にパンが食べたかったので、近所のスーパーのパン屋に行って惣菜パンを買った。

最近はコロナの影響で全てのパンがビニールで個包装されており、以前のようにトングでパン掴み放題、買い放題といった体験も出来なくなってしまっている。

下手すりゃずっとこのままパンに包装がかけられ続け、生身のままパンが陳列される販売スタイルが消滅してしまうんじゃないかと思うくらい、「新しい生活様式」が僕らの日常に対して幅を利かせ始めている。

もしそうなれば、わざわざトングとトレーを使ってパンを選ぶ必要もないので「トングをカチカチして他の客を威嚇する」みたいなあるあるネタが通用しなくなる世代が誕生する可能性も....?

将来会社の飲み会で新入社員の子に「昔はなぁ〜こうやってパン屋でトングカチカチして、他の客威嚇してたんやで〜」とか言いながら、サラダ取り分ける用のトングをカチカチさせても、何も分かってくれないかもしれない。

というか、そんな上司ダルすぎるし、いきなりサラダ取り分けてくれるかと思えば訳分かんないこと言い出してトングカチカチしてノスタルジックに浸っている上司、普通にウザ過ぎるのだが....

買ったパンを帰り道で食べながら思った。

家に戻ると月曜日試験のあるTOEICの授業の勉強をした。

この授業落とすと卒業に関わって来るレベルの結構重要なテストなので、一応模試的な感じで一通り問題集を解いてみた。

 

 5割7分くらいの得点だった。

単位くれるかどうか微妙なラインの得点だ....

先生が「厳しめの」人だったら、下手すれば落とされるかもしれないくらいの成績。

だけど冷静に考えれば、この時期までTOEIC残してるような奴らなんてたぶん真面目に試験前に模試なんてやらないだろうし、本番一発で試験して全然出来てなくて、結果として授業全体のなかで相対的見ると、僕の成績がそこそこ優秀なほうだったりするんじゃないだろうか。

そう考えると希望が無いわけではない、と言うより、もっとドッシリ構えててもいいんじゃないかと感じた。

半ば無理やり良いイメージだけ頭に植え付けて、寝た。◇

 

 

あの砂・この砂(アノサ・コノサ)

 起きる(一一時)。

ちょうど明日提出のレポートがあったので、一通りの内容を考えて、箇条書きにした。

ご飯を食べて野球中継を見た。

先発が梅津だった。圧巻のピッチング。スライダーは甘いけど、もう直球とフォークだけで抑えられちゃうでしょ、こんなの。

 

 午後四時から、「部分日食があるらしい」という友人の薦めにしたがって、近所の公園に集まって日食を観測しようとした。

コンビニでサングラスとか手鏡などを買い足して、ウキウキで観測の準備をしたのだが......

......実際どうなん? コレ本当に日食なのかなぁ......?みたいな微妙な結果となってしまった。

大したこともなくて暇になってしまったので、友人と一緒に公園の砂場で遊んだ。

古代文明の遺跡』という設定で、神殿と陵墓とかを滑り台の下に作った。

泥団子を玉座において「球体を信仰の対象とする文明」としたり、おちょこ状の塔を作って「豊穣を祈祷するためのトーテム」としたりなど、ロマンあふれる文明となった。

砂場の土中からストロングゼロの缶が発掘された時は、本当のオーパーツ感があって一番盛り上がった。

未来人によってもたらされた神聖な飲料である「ストゼロ」の飲み過ぎで民が全員アル中になって滅んだ文明なのかもしれない....(のちの歴史家はそう語る)

 年甲斐もなく砂場遊びをした後は、明日から学校も始まっちゃうし、焼肉でもしよう!ということになったので、イオンで肉と野菜を買って僕の家のホットプレートで焼いて食べた。

餃子も同時進行で作って、一緒に焼いた。普通に肉より美味しかった。

手作り餃子、冷食のとは「別種の料理か」ってくらい違う。

まず皮がモチモチ。これもう実質ハイパーモチモチオリンピックだろ......

あとニンニクと生姜と味覇をふんだんに入れた結果、芳醇さが、並の餃子の比じゃなかった。

餃子に「香り」って概念あるのか....と若干カルチャーショックを受けるくらい美味しかった。

ビールにも合うしね。ちゃんと野菜も入ってて健康的だし。(はいバカ、お前死んだ方がいいよ。野菜は!美味しいから食べるの!!)

食べながら、映画『怪談』とかを見たりした。昔の日本映画なんだけど演出がカッコ良くて、終始ちょっと中腰で、みんな興奮しながら見てた。

中盤の「耳なし芳一」のエピソードが、若干の中だるみ感があったけど、まあ全体的にはかなり完成度が高かったんじゃないっすかね。

甘プラで見れるので、是非。◇

 

 

 

<あの粉・この粉(アノコ・コノコ)
あの砂・この砂(アノサ・コノサ)

エッセイ集『あの水・この水(アノス・コノス)』より抜粋
(山本由伸)>https://kakuyomu.jp/works/1177354054889579328

 

 

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